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コンサルタント転職は「背信的引き抜き」 賠償命じる 東京地裁-NHK
2022/08/24
絆ワークプロジェクトでは、社員の引き抜きやデータ不正持ち出しなど、企業の不正に関する事例について取り上げ、皆様へ情報共有を行っております。
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コンサルタント転職は「背信的引き抜き」 賠償命じる 東京地裁-NHK
この事例の3つのポイント
①競業他社の引き抜きが問題視されたこと
②転職が多い業界での移籍が訴訟に発展したこと
③5000万円という大きな賠償命令
大手コンサルタント会社「デロイトトーマツコンサルティング」が、競業会社に移籍した元幹部に対し、「社員を不当に引き抜かれた」と訴えた裁判で、東京地方裁判所は「競業他社の人材を流出させるために行われた背信的な引き抜き行為だ」として、元幹部に5000万円余りの賠償を命じた事例をNHKが報じました。
デロイトトーマツコンサルティングの複数の社員が約3年前に揃って別の大手コンサルタント会社に転職したのは、すでに移籍した元幹部の男性が社内規定に反して部下を引き抜いたためだと主張し、損害賠償を求めていました。訴えられた元幹部側は「複数の社員から転職の相談を受けただけで、引き抜きは行っていない」として争っていました。
2月16日の判決で東京地方裁判所の澤村智子裁判長は「給与や配属先をあらかじめ確約するなどして移籍を強く呼びかけていた。単なる勧誘にとどまらず、競業他社の人材を流出させ、事業に悪影響を及ぼすための背信的な引き抜き行為だ」と指摘して、元幹部に5000万円余りの賠償を命じました。
転職が多いとされるコンサルティング業界では社員の引き抜きが多くありました。このように社員の移籍が訴訟に発展するケースはあまりなく、今後はこうしたケースが増えていくことが考えられます。