かっぱ寿司前社長、起訴内容認める 営業秘密を不正取得 東京地裁-産経新聞
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かっぱ寿司前社長、起訴内容認める 営業秘密を不正取得 東京地裁
この事例の3つのポイント
①前の職場から顧客データを持ち出した
②ライバル関係にある競業他社への転職が動機
③回転寿司業界の熾烈なシェア争いが背景
回転ずしチェーン「はま寿司」(東京都港区)の親会社に在職中、営業秘密を不正取得したなどとして、不正競争防止法違反(営業秘密領得など)の罪に問われた「かっぱ寿司」の運営会社「カッパ・クリエイト」(横浜市西区)前社長、田辺公己被告(46)の初公判が22日、東京地裁(平出喜一裁判官)であり、被告は起訴内容を認めたと産経新聞が報じている。
検察側は冒頭陳述で、田辺被告がカッパ社とライバル関係にあるはま寿司の親会社に在職中の令和2年6月ごろ、上司への不満から「転職を考えるようになった」と指摘。同9月、転職先で利用するため、はま寿司の営業秘密に関するデータを同社従業員に抜き取るよう依頼したといいます。
原価や仕入れ先に関わる情報が入っていたデータについて検察側は、はま寿司の販売戦略が凝縮され、「会社の資産というべき情報」も含まれていたとし、被告には「他社へ漏らすことは許されないとの共通認識があった」と主張したという。
一方、弁護側は罪の成立を認めた上で、取得したデータの有用性は限定的だったと訴えたといいます。
起訴状によると田辺被告は2年9~11月、はま寿司の営業秘密を取得し、カッパ社社員の大友英昭被告(43)=同法違反罪で起訴=に送信。大友被告と共謀して同12月、はま寿司とカッパ社の商品原価を比べたファイルを作ったとされています。