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転職トラブルで逮捕も!かっぱ寿司元社長と同じ轍を踏まないための「退職の作法」とは?-ダイヤモンド・オンライン

2023/06/02

絆ワークプロジェクトでは、社員の引き抜きやデータ不正持ち出しなど、企業の不正に関する事例について取り上げ、皆様へ情報共有を行っております。

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転職トラブルで逮捕も!かっぱ寿司元社長と同じ轍を踏まないための「退職の作法」とは?

この事例の3つのポイント

①上場企業トップが逮捕された

②新しい職場での活躍と不正行為の線引き

③民事訴訟の賠償金で自己破産が確実視

かっぱ寿司の運営会社カッパ・クリエイト元社長で、営業秘密侵害の容疑で逮捕された田辺公己被告の判決公判が東京地裁で開かれ、懲役3年、執行猶予4年、罰金200万円の有罪判決が下されました。上場企業トップが逮捕された異例の事件です。この騒動は人ごとではありません。新しい職場での活躍と、元いた会社への不正行為の線引きをどのように考えればいいのかと、ダイヤモンドONLINEが伝えています。

田辺氏は2020年にカッパ・クリエイトに入社する直前まで、はま寿司を運営するゼンショーホールディングスではま寿司やココスなど外食事業の役員を歴任していました。転職後、はま寿司時代の部下から仕入れ原価表などを入手して、かっぱ寿司とはま寿司の原価比較表を作ったことなどが不正競争防止法違反にあたるとされ、2022年10月に逮捕されました。

この事件では法人としてのカッパ・クリエイトも起訴され、分離された裁判で審理されていますが、同社は無罪を主張しています。

仕入れ原価というのは、大企業にとっては最重要秘密のひとつです。コストが漏れてしまうとライバル企業から対策を打たれたり、取引先との交渉で不利な取引を強いられるようになったりするリスクが大きいからです。安いコストで仕入れられる仕入れ先が判明すれば、その仕入れ先を横取りされるリスクも出てきます。

今回、地裁判決は執行猶予にした理由を「営業秘密を使用したことによる具体的な損害が確認できない」としていますが、この点は、検察側は容認すべきではないでしょう。当然実害があるからです。この事件、刑事裁判はいずれ上級審で量刑が確定するはずですが、実はもっと恐ろしいのが、今後進展するであろう民事訴訟での賠償金です。

2021年にソフトバンクの元社員が、楽天モバイルに転職した際に5Gに関わる機密資料を持ち出したとして逮捕された事件では、刑事裁判では懲役2年、執行猶予4年、罰金100万円とこの事件よりは軽い判決が下されましたが、民事裁判では約1000億円の損害賠償権を主張されています。日本の裁判なので実際の判決では損害賠償は大幅に減額されると思いますが、たとえ1%の10億円で確定したとしても自己破産は確実だとしています。